猿板

遊山黒子衆SARUの記録

睦月の雪歩き 稜で結ぶ

寒晴れ

 寒晴れの 逃げも隠れも出来ぬ空
      黛 まどか
◆稜風
 稜線は山麓から風が吹き上がり
風は雪を持ち上げ吹き溜まりますが
その美しい造形に歩く楽しみも現れます。
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◆寒晴
 抜けるような青空が迎えてくれました。
冷たい空気は眺望をもたらします。
西には太郎(剣山)と次郎が美しい姿を見せていました。

 誰も踏んでいない雪面に
風が模様を刻み
太陽が陰影を作り紋様を浮き出します。

◆女神
 居場所の定まらない新雪に遊ばれ
倍以上の時間を要し
昼を過ぎてやっとカヤハゲに到着。
目の前に新雪をまとった三嶺が現れました。

「もう。ここで良いな。」
優しく微笑む女神に満足し
今日は来た道を帰ることにしました。
 また来るよ!

◆野に生きる
 風を避け鹿のコルでお昼を摂っていると
目の前に一羽のコガラが現れました。
それは私など全く気にならない様子で
木の皮に眠る虫を懸命に探していました。

 コガラは小さな体一つで自然と対峙しています。
私は山で「人」が高等動物とは思えません。
その毛のない猿が、せめて歩いて得た風景は
「極限」に生きる美しさでした。
 Japan beauty 猿板