◆雲の海
私はテントに潜り込みましたが
天狗はシュラフカバーで「ビバーグ」でした。
その山上の眠りは不思議な程深く
夜空は満点の星達が輝く穏やかな夜でした。
そしてテントが明るくなっているのに気づき
テントから出た風景にしばし言葉を失いました。
それは久しぶりに見た「雲海」
その夜明けの風により波打つ雲の海から
静かにお天道様が姿を現し始めていました。
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◆金色の時
いつも頭上にある太陽とは思えない
今朝の太陽は金色の光を放ち
雲の海をその色に染めていきます。
音のない雄大なドラマが目の前に展開しています。
やがてその光は笹原までも金色に染めていきました。
◆再会の時
振り返れば薄いガスの向こうに
光の輪に囲まれ雲海に立つ「ブロッケン」がありました。
それはまるで我々を歓迎してくれる
お父さんの姿のように懐かしく感じました。
photo by 天狗
そして西に目をやれば
奥に控えた霊峰石鎚山から綺麗に並んだ
伊予の名峰たちも目覚めの時を迎えていました。
◆送られて
朝食を済ませ一息つけても8時前ですが
今日も日中は気温が上がるとのことで
涼しい内に下山する事にしました。
我々が下る北斜面もやっと夜明けを迎え
真っ直ぐな光が笹原に差し込み始めました。
そして頂上を越えてきた雲が澄んだ青空に舞い
それはまるで私たちを見送っているようでした。
◆Stand By Me −傍にいてほしい−
山を下り その脚で伊藤のおばちゃんへ会いに行く。
おばちゃんも、クロも元気そうでなにより。
3人でおいちゃんのお墓参りへ。
笹が峰で汲んできた沢の水を 墓石にかけて
おいちゃんに手をあわせる。
あらためて ありがとうございました。
by 天狗