猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初秋の加持ヶ峰遊山 山奥

                                                   

 祖先が真理を求めた
大岩に架けられた鎖場を階段を登り
真の清水が出流森を目指した。

◆滝頭に上がる
 真名井の滝頭には
もう一つの滝があり季節毎の
掛け軸の様な風景を見せてくれる。

 涼しげな風景になったな。

 「えい風が吹くねぇ」

いつも休憩する大岩頭の
昭和の東屋にはいつもより
涼しく感じる風が抜けた。

                       

 「葡萄冷やして持って来たで」

 この静かな一時が
僕は好きなんだよなぁ。。。

   森より美味しいな (^_^)

◆森の中のもう一つの森
 標高1000mを越える稜線の
間近に刻まれた「紅葉谷」は
大雨が降っても濁ることのない
佐賀山谷川が始まる源流の森。

                                     

 この渓の回廊が導く先に
佐賀山谷川出流ところがあり
囀りにせせらぎも聞こえ始めた。

◆鎮める処

 「えいが風が吹くね」

 僕らの遊山で大切なもの。
森の中にあるもう一つの森は
長くかよい気付いた特別な処。

 今年の緑が極まった木陰で
涼を感じさせる水面の風景も
森の中のもう一つの森と思う。

 静寂という音もあるよなぁ。

◆かえり道
 二十四節気は秋の始まり立秋に入る。
一年で最も暑い時期に立秋を置いたのは
「暑さ極まれば秋が兆す」といった
自然を見据えた先人の心の表れだと思う。

それは生まれ育った風土で生きる術で
その継がれた知恵を見失うと命を縮める。
極端かもしれないがそれが自然の摂理で
社会が発展しようが追いつくことは出来ない。

                       

 だからそれを見失わないためには
我欲や利己でなく利他の心で生きる事。
登山なら本当の山力は道具の使い方でなく
自然に頭を垂れてまずは空から学ぶこと。

 もしそれが出来ないのであれば
他の迷惑なるから山に入らない方がいい。

 「汗もサラサラで
     気持ちよかったね」

                                     

「今日も暑いでねぇ」

  「風が気持ちよかったで」

「そりゃぁ良かったわ!」

    僕はニコニコ頂きます (^_^)

                初秋の火をいきいきと山の奥  柴田白葉女