猿板

遊山黒子衆SARUの記録

立夏の三辻山の遊山 夏の空

                                                                   

 「これカメムシ?」

 捕まえるとキイキイと鳴く髪切虫
人は草木を食べる害虫だと言うが
僕は草食が害虫だとは考えない。

◆杖塚のこと
 自然休養林の公園施設で
いつも空の様子を観ている。

今日は寒気が押し出したようで
高層雲が綺麗な線を描いていた。

 ここもツツジらは満開で
陽に輝く新緑が登山者を待っていた。

     一休みして行くか。

              

◆峠に下る

 「木洩れ日の季節やね」

 杖塚で一休みしたのち
来た道を少し引き返して
古の杣道に入り峠に下る。

杣道の始まりは植林だが
夏に入れば陽射しが変わり
陰影がはっきりしてきて
ここにも季節感がある。

                 

 そんな緑のトンネルを潜り
初夏の陽射し注ぐ峠に降りた。

◆赤良木峠

 「グリップいい感じ」

 夏の日帰りは3つの靴を使い分け
それは大事な靴の延命のためもあるが
山に合わせた安全確保の意味が大きい。

                 

 「気持ちがえいねぇ」

 工石山を下った杣道が
降りた標高約1000mの峠には
北西から涼風が吹き抜けていた。

 「今日もくっきり」

 西日本最高峰の石鎚山
天にそそり立つ姿を見せていた。

    今年も沢山登るんだね。

◆近道に入る

 峠から三辻山への近道に入る。

 近道は三辻山北面に植えられた
杉檜林の急斜面の作業道を登る。

                       

 整然と植えられた杉檜林に
模様を描く木洩れ日も夏になった。
祖先は自然に頭を垂れ共に寄生する
この様な共生関係を作ったのだろう。

 「ツクバネソウが咲きゆうで」

 森の時計が針を伸ばしだした。
この命らが共生の証だろうと思う。

                     

 「ヒキの子や!」

 2歳のヒキガエル
懸命に生きて冬を越したんだな。

 

 “自分が正しいと思うことが正しい”

 害虫などもそうだけど
高度成長でそんな考えに至った日本経済は
長い眠りに入ったような気がするなぁ。。。

                                           

 夏空へ雲のらくがき奔放に  富安風生