猿板

遊山黒子衆SARUの記録

仲冬に入る加持ヶ峰遊山 落ち葉

                                                           

 修験場であった事を伝える
鎖場に架けられた階段を登り
真名井の滝頭に上がった。

◆修験場のこと
 滝頭の二段の滝が見せる
四季の風景も楽しみにしている。

 渓の落葉は増えてきたが
紅葉の盛りには早かったな。

◆滝頭のこと
 いつも休憩する
真名井の大岩の岩頭にある
東屋には四季折々の風が吹く。

                       

 ここに座っても
まるで掛け軸のような
四季の風景に出会える。

◆森の中のもう一つの森

 「綺麗やねぇ」

 山道が降りた佐賀山谷川出流
この森のまほらと感じる処には
落ちて間がない葉が敷かれていた。

 渓の源流に導くような
なだらかな渓の回廊を溯る。

           

 これは
紅葉や新緑よりいいよ。

 「森が映っちゅうで」

 湧き出したばかりの水面に
冬の空と樹々の枝が揺れていた。

 これがもう一つの森だろうか。

                                                   

◆かえり道
 いま世界は転換期と言われ
特に日本経済は厳しくなってきた。
でも人の都合は関係ない完全中立の
自然は何も変わらず時を刻んでいる。

人は歴史からは逃げられないから
受け入れるしかないと前を向いて
僕らは利他で調和できる仲間と共に
自然に分け入り心は温めていたいと思う。

                 

でもそれは決して逃避などではなく
自然の一部の人間の持って生まれた
利他の役割を見出し生きて行くことが
僕らが背負った役割だと考えている。

 「綺麗やったね」

 次は来年 雪景色かな。

                                             

 「食堂やりゆうで!」

 また一つ
かよう道が見えたか。

      頂きます。

                   落葉踏む山は見えねど山の中  見學玄