「テンニンソウが咲きだいた」
山林中に群生するシソ科の多年草。
晩夏に茎頂に長い花穂を出して
鱗状に包葉に包んだ唇形花を咲かす。
◆杖塚
家から最も近い1200m峰
県立自然公園でもある工石山の
広場でいつも開けた空を観ている。
陽が高くなり白く輝く空で
大洋の暖気と大陸の寒気が
押し合う様子が見て取れた。
◆赤良木峠
杖塚で休んだのち峠に下る。
セリ科の大形多年草。「猪独活」
山地の草原に自生し葉はウドに似る。
夏に淡緑白色の小花を多数つける。
先人からの関わりを感じる
古の峠道は赤良木峠に下る。
「まだ大丈夫なようやね」
峠の風は北から雲を押していて
前線が南下し始めた事を告げていた。
さほど気温も下がってないしね。
◆近道
峠から三辻への近道に入る。
軽い暖気の下に寒気が潜り
気象図はその中間に前線を引いて
寒気の先の上空に積乱雲が発生する。
近道は再び植林に入り
葛籠折れの急登は週に一度の
軽い運動にちょうどいい。
「栃葉人参もおしまい」
トチバニンジンはウコギ科の多年草。
山中の陰地に自生し3~5葉を輪生する。
夏に淡緑色の花を開き秋に赤い核果を結ぶ。
古来より根茎を去痰や健胃・解熱剤とした。
峠で一旦抜けた
雲に再び入ってゆく。
三辻の森が楽しみやね。
そぞろ神のつく山霧の迅きかな 大久保廣子