四国の高山の殆どは
山頂部に広い笹原を持ち
森を抜けると空に飛び出す。
◆白い世界
まだ居場所が定まらない雪は
笹原全てを覆ってはいないが
眩しい冬の風景で迎えてくれた。
天に突き出した山頂部の
積雪は山道など吹溜り30cmで
久しぶりに膝を腰まで上げる
ラッセルを楽しめそうだ。
「雪玉が浮いてる！」
靴が飛ばした雪が浮いて見える。
◆眼下のこと
剣山地の南端にある白髪山は
足下から山並が太平洋まで続く
高度感を味わえるのが最大の魅力。
「太平洋が見えゆうで」
桂浜がある竜頭岬の向こう
太平洋が光って見えていた。
◆空に向かう
頂に向い30度を超える
斜面を登り次第に空が広くなる。
東に座る剣山と次郎笈が
次第に目線に降りてくる。
「雲 綺麗やなぁ」
氷の粒で出来た上層雲が
時々光を屈折させ虹色を見せる。
ほんと穏やかですね。
吹雪の前の小春日の山。
傾斜が緩くなれば頂上は近い。
櫂あらば冬青空へ漕ぎ出でむ 嶋田麻紀
