猿板

遊山黒子衆SARUの記録

古の峠道の遊山 転

ザックを下ろす

 ある吹雪の日tochikoと二人で
鹿の足跡を追ってみつけたテン場。
ここはどんなに荒れた天候でも
風雪を避けるビバーグポイントになった。


◆鹿の知恵
 鹿は丸くなって眠る。
この場所を見つけたときも
丸い雪の溶け跡があった。



                   
◆人の関わり
 厳しい冬であっても
自然に頭を垂れ共に生き
先人は多くの知恵を得てきたと思う。



そしてその心は
「自然保護」とかではない
自然を神として畏れ敬う
「畏敬の念」であったと思う。
                  
この血税をつぎ込み
網を張り銃で鹿を撃つ心は
いったいどの様な心なのだろう。
 「河童ちゃん鹿の骨や!」



躑躅のこと
 ここもミツバツツジ
異常と思えるほど花が多かった。
                   
しかし土壌を失ったこの尾根で
生きていくことは難しいと思う。



生物は種の危機を感じると
子孫を多く残そうとすると言われる。
                  
いま笹を失ったこの稜線には
芒が根を張り大地を守っている。



 この先どうなっていくのか。


                 
私はここに通い見据え
記録していきたいと思う。



                               撃たれたる鹿青年の顔をもつ  小室善弘