韮生越えは稜線に至り
剣山から三嶺に続く縦走路に入った。
ここの風景もここ10年で一変した。
◆東熊山に立つ
剣山系の真ん中に位置する
カヤハゲと呼ばれる頂に立つ。
ここに何度立ったことだろう。
ここは三嶺を目指す登山者が多く
少し下ってお昼とした。
◆口福のとき
風を避けて
見晴らしの良いところで
ザックを下ろす。
さあビールとノンアルで乾杯!!
今日は簡単な昼食にした。
日本のレトルト食品は侮れないぞ。
ちょっと休んで帰ろうか。
この「微睡み」こそ最高の贅沢だと思う。
◆かえり道
日本で発掘されるゾウや恐竜は
かつての日本列島は今のような冬などない
温暖な気候であったことを示している。
しかし今は氷河時代で寒くなったため
この標高でブナや笹が生きているだけのこと。
地球の永い営みのなか「たまたま出来た」環境を
他の命を排除してでも守る必要があるのか?
自分の価値観を一方的に
物言わぬ大きな自然に押しつけること
私はそこに強い違和感を覚える。
人の一生で
自然に親しむということほど
有益なことはありません。
人間はもともと自然の一員なのですから
自然にとけこんでこそ
はじめて生きているよろこびを
感ずることができるのだと思います。
自然に親しむためには
まずおのれを捨てて自然のなかに
飛び込んでいくことです。
そしてわたしたちの目に映じ耳に聞こえ
はだに感ずるものをすなおに観察し
そこから多くのものを学びとることです。
木々の香にむかひて歩む五月来ぬ 水原秋櫻子