大規模な土石流跡を高巻きし
標高約1500mのテン場に向かった。
そこは吹雪の中鹿の足跡を追って
見つけた快適な寝床であった。
◆鹿のコルと名付けたこと
そこは稜線に近い場所であるが
水が湧き出す長笹谷の源流の一つで
南西斜面の平坦地で日当たりがいい。
北風を防ぐビバーグポイントだった。
◆変わってしまったこと
昨年tochikoと訪れたとき
トリカブトが芽吹いていた
沢胡桃の根元は土砂に埋まり
= 2018年5月19日 =
その谷に沿って並んでいた
木々は根こそぎ押し倒され
山道は土砂に埋まり
歩く度ザラザラ音を立て崩れた。
もうここはだめだろう。
◆腰を下ろすこと
かつてのテン場に
腰を下ろし昼にした。
もうここでいいだろう。
稜線までと思ってたが
気が萎えてしまったようだ。
星の王子さまの著者
サン・テグジュペリは言った。
「大地が万巻の書より多くを教える」
明日は雨だろうなぁ。
野あそびの土つけてこの日暮美し 山上樹実雄