殺風景な植林の風景に
ミズキが小さな秋色を添える。
何かホッとする鮮やかな赤色。
◆宿
ここは「宿」と呼ばれる
かつて木炭を運んだ馬の休憩場所。
最盛期には数十頭の馬が集まり
たいへん賑わったと言われる。
◆ブナと山葡萄
宿から沢にかかる橋を渡り
ここからはブナ達の森に入る。
「相変わらず
このブナは美人やね」
そうやね。変わらないね。
「河童ちゃん見て見て
あった!あった!!
八ちゃんのお土産にしようね」
◆思い出を辿る
丸山荘への最後の登り。
「クロが走って来そうやね」
この登りにかかると
薪を焚く香りが漂って来た。
二度と帰って来ることはない
あの楽しかった日々よ
ただいま。
山葡萄からめる木々も見慣れつゝ 星野立子