猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の日々遊山 料理の玉手箱

思季亭

 「それは土佐では“やけど”
   ハダカイワシのことだよ」
 「鮎の白子で遊んで」
カウンターの向こうの優しい笑顔。


 黙ってカウンターに座れば
馴染みの財布と好みを心得た
四季折々の料理が出てくる。



私達は20年のお付き合いで
料理のあれこれを客として学び
                
若い板前さんの
巣立ちも見送ってきた。



                
 「河童ちゃん
    お誕生日おめでとう」



しかしこの土佐料理の老舗は
今月末からの休業が決まり
また一つ馴染みの店がなくなる。
       


 「寂しくなるね」
                


  鰹切る俎いつも水流れ  今瀬剛一