猿板

遊山黒子衆SARUの記録

朴の家の遊山 天まで

頂上の祠

 四国で最も雪深い山笹ヶ峰
その山頂部にテントを張った
2ヶ月近くに及ぶ氷雪の観測を
山田さんは「冬眠」と呼んでいた。
◆天空の海へ
 青く霞む石鎚山系を背景に
笹の海に点在するコメツツジの群生。
この厳しい環境に根を張る小さい樹木は
今年裏年の様で蕾一つ見当たりません。

◆山上の口福へ
「ノンアルコールもいけますよ」
確かに汗の後の炭酸は気持ちよいもの。

でも次の遊山はテントを持って
BEERで乾杯しましょうね(笑)

◆仏さまの森へ
 帰り道は紅葉谷を下りました。
ここは谷間に吹きだまる大量の雪と
オオイタヤメイゲツが織りなす
一つ一つの造形が仏像の様に見える森。

 山田謙は経験豊富な登山家であり
また氷雪の専門家でもあった。
誰より雪に詳しいはずの彼でも
その雪崩を予測することは出来なかった。

人が簡単に理解できるほど
自然は単純なものでは無い。
自らの成功体験を信じてはいけない。
 「もっと臆病になろう」私はそう思った。

山田さんが尊い命を犠牲にして
私達に教えてくれたことを
これからもずっと無駄にはしない。
 ありがとう。私の山のお師匠さま。

                                   あを空や楓そよげば花がある  伊藤東吉