ブナの極相に近い森を抜け
山道がやや南に巻きはじめると
中低木の森に入り笹ヶ峰が現れる。
◆笹ヶ峰
「北は着いちゅうね」
霧氷を纏った笹ヶ峰が現れる。
やっぱり雪じゃないね。
◆丸山荘
お父さんと手入れしていた
最後の木段がある道を登り
私達の思い出の小屋に帰る。
「綺麗ですねぇ」
10年余り通い続けて
多くのことを学んだ山小屋。
どこを見ても思い出がある場所。
「お母さんの石楠花も元気やね」
今年はたくさん花芽を付けている。
「誰か選定しゆがやろうか」
それもお母さんから学んだこと。
◆防風林
丸山荘で一休みした後
元の笹ヶ峰スキー場のゲレンデに上がる。
ここは小屋の風除けと修理材のために
昭和の頃に植えられたヒノキ林だ。
「これは雪ですか?」
これはヒノキに着いた霧氷でしょう。
霧氷は風で生まれ陽射しで散るから。
かつてこの林に点在する平坦地は
テント場として手入れをしていた。
◆霧氷林
笹ヶ峰北東斜面から始まる
ゲレンデの中間にある初心者コースは
「幼稚園ゲレンデ」と名付けられた。
ここは風も緩く食事をするにもいい場所だ。
「東山の世界やね」
ほんと日本らしい風景やね。
落葉松の霧氷にひびき鳥の声 青柳志解樹