岳樺の森から落盤帯を横切り
太鼓岩の脇を登り尾根に出る。
この大岩には行場の洞窟があり
最深部に不動尊が祀られている。
◆空に出る
見ノ越から山頂部へ登る
西島尾根に乗って山小屋が見えた。
さあ 帰るときやなぁ。
「越冬芽が膨らんできゆ」
剣山懐の木々の越冬芽が
冬枯た森に赤い色を描きはじめた。
今年は遅かったかな
◆リフト西島駅
「おかえり~
今年もよろしゅうなぁ」
リフト駅のWさんが手を振る。
ただいま~!
「こちらこそ宜しくです」
駅員さんと挨拶を交わし
山頂へ近い尾根道を登った。
今日は風もないなぁ。。。
◆尾根の道
山道は尾根に乗り
東に切れ落ちた山麓から
時々涼しい風が吹き上がる。
「越冬芽の赤が虹みたいに見える」
山麓に向かい流れ落ちる
自然林が見せる越冬芽の赤色。
虹って いい表現だな。
「あんた誰?」
日本固有種と言われるカヤクグリ。
競争相手となる鳥に追いやられ
高山などで生き残った鳥の一種。
「あんたら喧嘩じゃないよね!」
ここでは共生していると思うなぁ。
◆山頂へ
「あとワンピッチ」
山道はこの山を高く残した
石灰岩を踏む急な地形を登る。
いい感じで登れたな。
「見えたで」
山道は山頂部に上がり
かよう僕らの居場所が見えた。
今年も無事帰ったな。
きらきらと鳥の飛び行く春日哉 正岡子規