猿板

遊山黒子衆SARUの記録

tochikoな山歩き 不入山の話

kurokoshusaru2006-03-17

不入山の植生は、
他の山と違って、ちょっと面白いモノがあります。
たとえば、日本特産の針葉樹コウヤマキ
(「高野槙」の意で、高野山に多いから名付けられたそうです。)
コウヤマキは、檜と違い蛇紋岩地帯には生えないので、
群生地が限定されるため、
四国では、ここ不入山と面河渓が有名です。
 
 用途は、水に強く樹皮は漏水をふさぐのに使い、
材は、湯船やタライに使うと高級素材だそうで、
独特の細長い葉が美しく、樹木は高価な庭園樹となるそうです。
 又、高所恐怖症の方は近寄りがたいところが、
安住の地になっているようで、
ここ不入山もそうですが、
必ずと言っていいほどシャクナゲなどの、
ツツジの仲間が多く群生しています。
 
この登山道、ブナ帯に入るまでは岩石の多い道で、
尾根に取り付いても、やせ尾根と急坂が続きます。
コウヤマキシャクナゲは、
なぜかそういう場所が好きなようです。
 又、コウヤマキは、常緑樹ですが、
沢山葉を落とします。
地面は落葉した葉で埋め尽くされ、
一面、葉が何層にも重なっていて、
枯れ葉の絨毯の上を歩いているようです。

この時期の、緑の少ない森で、
茶色の地面と青々とした木の葉のコントラストが
とてもきれいでした。
 そして、シャクナゲも花芽を付け、春を待っています。
(開花は五月下旬頃でしょうか・・・)
  ほかにもヒメシャラやツガ、
ヒメコマツアケボノツツジなど
植生の豊かな森で、飽きることなく、
冬の終わりを感じながら、
歩くことを楽しめた山行でした。