不入山の植生は、
他の山と違って、ちょっと面白いモノがあります。
たとえば、日本特産の針葉樹コウヤマキ。
(「高野槙」の意で、高野山に多いから名付けられたそうです。)
コウヤマキは、檜と違い蛇紋岩地帯には生えないので、
群生地が限定されるため、
四国では、ここ不入山と面河渓が有名です。
用途は、水に強く樹皮は漏水をふさぐのに使い、
材は、湯船やタライに使うと高級素材だそうで、
独特の細長い葉が美しく、樹木は高価な庭園樹となるそうです。
又、高所恐怖症の方は近寄りがたいところが、
安住の地になっているようで、
ここ不入山もそうですが、
必ずと言っていいほどシャクナゲなどの、
ツツジの仲間が多く群生しています。
この登山道、ブナ帯に入るまでは岩石の多い道で、
尾根に取り付いても、やせ尾根と急坂が続きます。
コウヤマキとシャクナゲは、
なぜかそういう場所が好きなようです。
又、コウヤマキは、常緑樹ですが、
沢山葉を落とします。
地面は落葉した葉で埋め尽くされ、
一面、葉が何層にも重なっていて、
枯れ葉の絨毯の上を歩いているようです。
この時期の、緑の少ない森で、
茶色の地面と青々とした木の葉のコントラストが
とてもきれいでした。
そして、シャクナゲも花芽を付け、春を待っています。
(開花は五月下旬頃でしょうか・・・)
ほかにもヒメシャラやツガ、
ヒメコマツ、アケボノツツジなど
植生の豊かな森で、飽きることなく、
冬の終わりを感じながら、
歩くことを楽しめた山行でした。