猿板

遊山黒子衆SARUの記録

不入山冬枯れ遊山  其の結び

kurokoshusaru2006-03-16

 稜線の檜の巨木に感心しながら、
さらに尾根を、木の根や岩角と格闘したあと、
やっと笹の中の歩きやすい登りになれば、
まもなく山頂が迎えてくれました。
 山頂は笹を切り開き、広場になって、
大きな一等三角点と、石鎚神社の祠があります。
頂上の東は展望が開け、晴天のこの日は、
折り重なる四国独特の山々の眺望を楽しむことが出来ました。

 飯盒で飯を炊き、澄んだ青空の下で昼食を取ったあとは、
自然と睡魔が襲います。
 でも、いつも思うのですが、
山や森でも昼寝は、どうしてこんなに深く眠れるのか?
まるで、体が地面に吸い込まれていくような錯覚があり、
腕の重さまで実感するときがあります。

目が覚めても、瞼を開けることも、
体を動かすことも出来ない・・。
そして再び深い眠りに・・・。
金縛りとはこの様なものでしょうか?

 そしてそれは、自分だけではなく、
一緒に眠った仲間も同じ体験をしています。
山登りをした疲れかもしれませんが、
私は、きっと森の力が、悪い気を吸い取って、
やがて目覚めた時の爽快感は、
そのせいであると密かに確信しています。
正に、自然は癒しの場所であると。

 帰路は、尾根コースを下りました。
そこは、シャクナゲがとても多い、
(開花時期に来ればさぞかし見事でしょう)
岩や倒木のある道で、
そうスイスイと歩ける感じではありませんが、
気持ちの良い自然林が続きます。
やがて稜線から離れ、谷へと下るつづら折れの道になると、
今度は断然歩きやすくなり、一気に下の分岐に合流します。
あとは日が傾きかけた林道を下りながら、今回の遊山は終わりました。
 この山の魅力は何と言っても、深山幽谷の谷にあると思いますが、
日当たりの良い冬枯れもよし、新緑も花も又良し、
自然林の美しさを四季折々楽しめる山だと思いますので、
皆さんも機会があれば是非足をお運びください。