猿板

遊山黒子衆SARUの記録

大暑の加持ヶ峰遊山 夏休み

                                                   

 真名井の滝頭の風景は
梶ヶ森の自然を詰めた箱庭。
この日は僕らを滴るような
万緑の佇まいで迎えてくれた。

◆滝頭のこと

 「雨も気持ちいいね」

 いつもよい風が吹く
大岩の頭の一つに建てられた
東屋でいつも一休みしている。

 「西瓜あるで」

 tochikoの気遣いで
小雨を眺める一時もいいなぁ。

    頂きます (^_^)

               

◆まほらのこと
 岩頭の東屋で汗を引かせて
梶ヶ森のまほらに下った。

 この紅葉谷と名付けられた
渓谷が佐賀山谷川の源流となる。

 「水の風やね」

 日照が続いても涸れることなく
常に澄んだ水が湧き出し山麓に下る 
真に清い水出流ここをまほらと感じる。

                                           

 穏やかな水の回廊の先から
霧となった水を風が運んでくる。

 今日は真夏の水遊びやな。

◆森の中のもう一つの森

 「涼しいねぇ」

 高い稜線の近くにあり
川が生まれる最も深い渓谷に
森の中のもう一つの森がある。

ここは囀りも蟬時雨も楽しげで
それはもう一つの森から生まれ
そこに帰ることを繰り返している。

 ゼロ・ポイント・フィールドだろうな。

僕らにその境界は今は見えないけど
量子学者により見える時が必ず来る。
でもそれは僕らの寿命を越えているから
かよいつづけ見定めたいと思っている。

                     

◆かえり道
 これからお盆休みの時期に入り
水遊びの戒めだけでなく山登りでも
高山は大陸の寒気の影響が現れる頃で
昔の山屋は8月に入ると高山は避けていた。

でもお盆休みの山岳遭難は増加している。
近年スマホなど情報収集が便利になっても
平地と山の気象は別物との認識がない上に
希望を優先する利己的判断が多い様に感じる。

 人を不自由にする自由はない。

                                                   

 結果として遭難事故に到らなくても
荒天に遭えば遭難だったとの認識がなく
それを成功体験として利己で歩き続ければ
いつか他に迷惑をかける事になるだろう。

特に高山の稜線に上がれば逃げ場はなく
やはり登山は「大丈夫だろうは中止」
これからもこの心が基本だと思っている。

 「晴れたね!」

                                               

 「暑かったろう?」

    「渓は涼しかったで」

「そりゃあえいわ」

   ありがとうございます (^_^)

                  大きな木大きな木蔭夏休み  宇多喜代子