猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初夏の奥物部の森遊山 新緑風

                       

 芽吹きで狭くなった
いつもの登り口の空は快晴。

 今日は登山日和だが
    いつも静かだなぁ。。。

◆登り口のこと
 標高約1000m気温は13℃。
風もそこそこ吹いてくれる様で
夏服で汗掻くことなく歩けそうだ。

 さあ 行こうか。

◆林道のこと

 「緑のトンネルになった」

 山道は昭和の頃に敷かれた
古の峠道に入る林道から始まる。

    空気も変わったな。

                 

 「ヒンヤリ気持ちいいね」

 木は水を吸い上げ葉で蒸発させ
気化熱を奪うため森の気温が下がる。

 今日は陽射しが強いからな。

 森は水を貯め雲を作り
雲は太陽光の5%を反射し
標高が100m上がる毎に
気温は0.6℃下がってゆく。

                 

◆咲くこと

 「ウワバミソウが咲いた」

 イラクサ科の多年草
陰湿地に群生し柔らかく多汁。
若い茎葉は美味。ミズナ。

 

 「早いけど二人静も」

 ユキモチソウ
今年はじめてだな。

                      

 森の花は春から夏に移ろい
雨期には卯木らが主役になる。

 「自然の暦に狂いはないよ」

◆風のこと

 「えい風吹くねぇ」

 歩きはじめた35年前の
出来たばかりの林道は剥き出しで
陽を遮る木々は殆どなかった。

                 

 「尾根まで新緑上がったね」

 かつて夏は辛かった林道は
今はどこよりも気持ちよくなった。

  「西熊も気持ちよさそうだ」

 渓から囀りと共に涼風吹き上がり
自然の営みの中通う毎に風景が深まる。

 僕らが帰る懐は
やっぱりここなんだろうなぁ。

                 新緑の香に新緑の風を待つ  稲畑汀子