猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初秋の加持ヶ峰遊山 秋立つ

                                         

「真名井」とは神聖な井戸のこと。

古来日本人は清水湧き出すところを
神聖な場所として大切に祀ってきた。

◆真名井の滝
 神力権化の岩壁を
溶かし落ちる滝は風と共に
激しく飛沫を上げていた。

◆滝頭に上がる
 祖先が真理を求めた
大岩に架けられた鎖場を登り
真の清水が出流森を目指した。

                 

 真名井の滝頭には
もう一つの滝があり季節毎の
掛け軸の様な風景を見せてくれる。

 「えい風が吹くねぇ」

 いつも休憩する大岩頭の
昭和の東屋にはいつも以上に
涼風が吹き抜け気持ちよかった。

                             

◆森の中のもう一つの森

 「やっと囀りだしたね」

 大岩の頭で一休みした後に
この山の最も深い処に降りた。

 そう言えばそうだなぁ

 僕がこの山のまほらと感じる
森の中のもう一つの森はせせらぎと
蟬時雨と囀りに満たされていた。

           

 これも静けさだろうなぁ。。。

 稜線近くとは思えないなだらかな
水の廊下の果てにある川出流ところを
いつか確かめに行ってみような

      さあ 帰ろうか。

◆かえり道
 最近「運動で脂肪は減らない」との
確りしたデータに基づく論文が発表され
そう思い込んできた僕らもたいへん驚いた。

           

運動では「生殖」と「免疫」に係る
器官が先にエネルギーに充てられるため
身体が恐れているのは「飢餓」であり
脂肪は需要と供給の結果でしかないと。

でも「軽い運動」家事やお散歩程度は
免疫力や細胞の更新には有効だとのことで
週一回の「頑張らない山歩き」と日本食
第二の人生も続けようと僕らは思っている。

                                                                   

 「ツクツクホウシが鳴いた!
    もう蟬時雨も終わりやね」

 また来年やな。

                 そよりともせいで秋たつ事かいの  鬼貫