猿板

遊山黒子衆SARUの記録

三辻山晩夏の遊山 百合

                                                 

 太平洋高気圧に覆われる夏空。
高気圧の縁を湿った空気が流れ込み
四国の太平洋側は雲が広がりやすく
午後は急な雨や雷雨に注意が必要だ。

◆空を観る
今年は海水面を攪拌する台風が
日本本土に上陸していないため
日本近海は海水温が高いままで
しばらく厳しい暑さが続くだろう。

そんな昨今災害の如く報道される
台風も遙か昔からある自然現象で
日本の自然には必要なものだろう。

                               

◆川を遡る

 「この前の
   入道雲凄かったね」

 台風の暖湿気が流れ込む休日
tochikoとかよう三辻山を訪れた。

 山間県道で鏡川の源流を目指した。

 「天気予報で暑さばかりが強調されているが
  これだけ激しい雷雨が発生していることを見れば
  暑さに偏り過ぎるのはダメだということが分かる。」

                 

 「ただ「暑さ⇒熱中症対策」という解説の構成は
  スキルの無い予報士にとって選びやすいのか。
  恐怖を煽り視聴率、再生回数を稼ぎたいためか。」

◆山間に入る
 山間県道は鏡川を渡り
葛籠折れに標高を上げて
古の郡境の峠へ登る。 

             

 高く昇り始めた陽射しで
山間部を覆っていた山雲
静かに夏空に溶けてゆく。

 鹿子絞りの滝百合が咲いた。

オオキツネノカミソリも咲いちゅうで」

 ヒガンバナ科多年草。有毒植物。
先端に数個のユリに似た美花をつける。

 

◆峠に上がる
 赤良木峠に近づいて
目指す山域の主稜線が現れる。
今日は山岳の局地的に積乱雲を生む
熱的低気圧(ヒートロー)はない様だ。

                                                   

 南海を進む台風が
天気を左右する三辻山は
どんな風景を見せてくれるだろう。

                   起ち上る風の百合あり草の中  松本たかし