猿板

遊山黒子衆SARUの記録

晩夏の剣山遊山 結

                             

 強く変化の風が吹き上がる
山頂に御座す剱山本宮の鳥居を潜り
山道は剣山頂上ヒュッテに至る。

 雨が来る前に山頂見ろうや。

◆山頂のこと
 山頂部に山雲はなかった。
数え切れない位上がった剣山で
頂に立ったのは数回だろう。

 「河童ちゃんらしいね」

 だよな(笑)

さあ 小屋で乾杯しょうや。

                                   

◆温かい処

 「ただいま帰りました」

    「お帰りなさ~い!」

 いつも山小屋のスタッフの
笑顔が迎えてくれる温かい居場所。

 「お疲れさま!!」

 二人して乾杯出来るのも
小屋泊まりの良いとこだろう。

 今日もありがとうな。

                                         

 「やっとりますか」

 下の用事を済ませた
山神様も上がってこられた。

 お疲れさまでした!

◆昨日は晴れ 今日も朝

 「乾杯のやり直しじゃ」

 40年前に裏山から始まった
私達の山道はチベットに辿り着き
登山から遊山に変わり今も続いている。

                                         

 そんな私達の山道で
「嬉しいこと」や「辛いこと」
「出会い」と「別れ」もあったが
過去は絶対帰らないことも学んだ。

調和には辛いこと悲しいこともあり
自らの死だって必要なこともある。

 それを教えて下さった賢者方々に
魂から感謝したいと思っている。

                                                           

◆かえり道
 翌朝山頂は山雲に覆われ
横殴りの風が吹き上がっていた。

 「用事あるけん
    先に降りるけんな」

 「また会いましょう」

次上がる時もお元気で。

 山神様行ってきます!

                             

 この雨じゃカメラは出せない。
朝食を頂いたら下山しようか。

 

 リフトを降りて立ち寄った
山神様お孫さんのブリュワリー。

 また一つかよう道が拓けたなぁ。

 持ち帰りは2本ね!

                  

 「ただいま帰りました」

   「よかったら
      おでんも食べてください」

 ありがとうございます。

 

 「河童ちゃんは人を追うから」

 第二の人生もそんな山道を
仲間とも一緒に歩こうな。

 みなさん 行ってきます。

                     遠くにて水の輝く晩夏かな  高柳重信