「ヤゴがおるっ!!」
昨晩お米を焚いた飯盒を
沢に洗いに行ったtochikoが叫ぶ。
有り難いことや。
◆命のこと
一昔前騒がれた「富栄養化」は
いま人の話題に上がることもない。
それは年間八千億トン日本に降る
膨大な雨を知らない人の思想だから。
「米のとぎ汁」もそうだが
まあ思想は自由なんだけど
どこまで頑張れるのだろうか。
◆温かいこと
増水したヌル谷のせせらぎで
昨夜はぐっすり眠ることが出来た。
それは調和の取れた森の鼓動に包まれる
母に懐かれる安心に似たものなのだろう。
昨夜の寄せ鍋をおじやで頂いた。
生きる糧は単純ほどよいと思う。
でも自然や家族の味は加えたいよね。
頂きます。
お腹が落ち着いたら
ボチボチと仕舞いましょうか。
◆母に会いにゆく
帰る前に森の母に
会いに行きませんか。
「いいですね」
「まだ早いかも」
その一期一会を見定めるさ。
この地形を成したヌル谷が
出流処にtochikoの森の母がいる。
「始まったで!!」
天に向かって広げた枝先に
膨らみ始めた越冬芽が見えた。
「みて!見て!!
ドングリが根を張っちゅう」
よく残ったなぁ。
また命が繋がるといいなぁ。
橡の実の山川まろぶひとつかな 飯田蛇笏