猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬に入る三辻山遊山 露の世

                       

 落葉して祠がある岩が見えてきた。
日本の祖先もアフリカを発した人類。
その過程にあった大岩や大木などが
移動や狩りの道標となったのではないか。

◆杣の道
 この杣道の所々にある石積は
古くから人間の関わりがあった証で
私はこの様な先人を感じる道が好きだ。

 「あの紅葉ピンクやね」

人の関わりがあったから
植生も豊かかもしれないな。

                       

◆森の中のもう一つの森
 この山のまほらに入る。
ここもそうだが他の山のまほらも
それぞれに人が関わった跡がある。

そこには私達が感じられなくなった
自然と繋がる何かがあるのかもしれない。

                             

◆変化のとき

 「朝露やね」

秋に著しく風のない晴れた夜に発生する。
日差しと共に消えることから古来「露の世」など
はかないもののたとえに用いられることが多い。

 

 「あれ頂上でねぇ」

落葉したから見えはじめたな。
これから枯れ山の季節に入る。

           

 あとは
雪を待つばかりかな。

◆かえり道

 さあ 帰ろうか。

例えば冬の降雪量をよく聞かれるが
私は「解りません」と返事をしている。
だって気象庁長期予想も外れる事が多いし
まして私なんかそれ以下の以下だからね。

                 

そんな気象庁が頼るスーパーコンピュータは
入力したデータを元に「考える」訳でなく
それは長く気象を観てきた人達が頼る
経験と全く違うものだと私は思っている。

そんな私達に「外れた」記憶が何のは
気象庁の「外れた検証」がないからだろう。
地球は過去を平面的に幾十幾百重ねても
未来は見えない複雑なものなんだろうな。

                             

 「おしまい」

さあ またこれから冬枯れを追うか。
30年を越えた山道を溯りながらね。

 「朝は寒かったですね」

 高知も寒くなりましたよ。
立冬ですものね。

    頂きます。

                                                   

  露の世は露の世ながらさりながら  一茶