猿板

遊山黒子衆SARUの記録

秋分の三辻遊山 あけび

                 

 秋に移ろう樹々の葉色が
さらに鮮やかになる処がある。
「パワースポット」と呼ばれる場所も
人が自然と絡合していた証かもしれない。

◆森の中のもう一つの森
 それは滝であったり大樹だったり
私は山中で水が造った地形で感じて
いずれも多様な生き物も集まって
命の繫がりを強く感じる処のようだ。

◆かえり道

 さあ 帰ろうか。

 古代から日本人は長い尺度で自然を観て
父母祖先から自然の事を聞き観て観察する力は
私達と比べものにならない程強かったと思う。

それは太陽と月。空には今と全く違う輝いた星。
風や川や雷の音は今の我々とは全然違う強さで
古代日本人の心に響いたのではないだろうか。

                 

また生き物も植物は日々花が咲いて散り
晩秋次第に葉が落ち枯れてゆく姿を見て多くの
感情が湧き自分の一生との関係を強く感じただろう。

 

その多種多様な植物と絡み合うように
昆虫がいて蝶が飛んで動物達も沢山いる
自然と人間との距離は今よりずっと近くにあり
全体の像は我々より遙かに敏感に感じただろう。

                             

そんな長い自然と自分たちとの繫がりで
大自然どおしの繫がり(絡合)を強く感じ
今とは違った一体となった自然に自分が
住んでいる非常に強い信念があった様に感じる。

そして現代は文明的なものに囲まれた
私達の感受性は極めて低くなったと
考えるのが正しいのではないだろうか。

                                                   

◆寄り道

 「えい遊山やった」

 これから涼しくなって
錦織りなす秋のお祭りが始まる。

 山にも沢山人が来たらいいな。

 「甘~い!!」

熟れると甘さが違うなぁ。

                      

 「三辻は近いし
   水とお蕎麦もあってえいね」

 それと静やしね。

 台風は大丈夫でしたか?

 「流石に閉めてました」

 そりゃそうだ!
         頂きます。

                                           

あけび垂れ風の自在を楽しめり  藤木俱子