猿板

遊山黒子衆SARUの記録

立秋の三辻山遊山 落葉

                             

 山道は山頂直下に設けられた
今は草木に埋もれた昭和の園地に至る。

 一休みしていこう。

◆赤良木園地

「街では涼しい気温やろうね」

標高約1100m三辻山直下25℃は
人間が暑くも寒くも感じない気温で
昼寝するにはちょうどだと思う。

 今年の落葉が目立ってきた。
太陽は核融合反応で燃えて輝くため
CO2の炭素で生きるための光合成
日射で被爆し傷む宿命を背負っている。

                             

◆自然の森に入る
 三辻山山頂部にある森は
日本で他に見ることが出来ない
アカガシとブナが並んで生える
暖温帯と冷温帯樹木の混生林。 

植物が取り出した炭素の循環で
この森で生きるものは命を繫ぎ
鳥や獣たちは草木の種子を運んで
微生物らもその成育の役目を負う。

その様な森の命らは「他の役に立つ」
より「恩返し」で生きている様に感じる。
人も例えば漁船災害発生は災害発生率の約6倍で
漁師さんは命懸けで我々の魚を獲ってくれる。

                             

道路舗装工事は大概夜中に行ってくれるなど
社会で一人で生きている人はいないはずで
全ての命の役割や仕事は「我」のためでなく
他への「恩返し」から始まる様に感じている。

◆森の中のもう一つの森
 三辻の森深く分け入る毎に
賑やかになる鳥の囀りや蟬時雨は
今日の命を喜んでいる様に聞こえた。

           

秋に入り木洩れ日が変わり
また森の樹々も眠る時が来て
私達もその変化を追いながら
今年の一期一会を見定めたい。

 森の中のもう一つの森に入る。
ここはどの山にもある森のまほら。

 やはり私は
森は一つの生き物の様に感じる。

                 岨(そば)行けば音空を行く落葉かな  太祇