猿板

遊山黒子衆SARUの記録

十三夜の奥物部遊山 柚の実

                                                   

 三連休初日は前線が東の海上に進み
冬型気圧配置になるも北日本は雲が広がる。
四国は太平洋側を中心に陽射しが届きそう。

◆空を読む
2日目は北日本中心高気圧に覆われるが
四国の太平洋側は湿った空気の影響で
雲が広がりやすく雨の降る所がありそう。

 午前の下山がいいだろうなぁ。

24時間1サイクルで気圧の谷が通過して
天気が崩れるのは偏西風の南側蛇行域の
通過サイクルが約24時間ということ。

 

今の寒冷渦を運ぶ偏西風の蛇行は
昨冬と同じく大きくなりすぎていて
北日本を中心に要注意の冬となるか。

◆雨上がる日

 「お疲れさま~!」

 遠方から参加するTommyさんは
いつも前泊宴会から遊山は始まる。

 山麓泊はゆっくり出来ていい。

                                 

 「秋らしいイワシ雲」

 今日のは回復を知らせるもの。

 朝食をゆっくり摂って
8時半発で香美市に向かった。

 今回も食材は地元仕入れで
開店時間に合わせ家を出発した。

                             

物部川を遡る
 物部川を溯り源流の森を目指す。
川に沿う田圃の稲刈りも順調そうだ。

 よし!
   前線は抜けつつあるな。

美良布から観る奥物部の高峰は
明るい高曇りの雲の下にあった。

峠のトンネルを抜けて物部に入り
いつもの食堂で早い昼を頂いた。

                             

「今から山行くが?」

 「泊まりやきゆっくりながよ。
     今年の柚子はどうやろう」

「今年は少のうていかんで」

◆上韮生川に入る

 「秋色が見えてきた」

 旧物部村大栃から物部川を別れ
上韮生川に沿った山間県道に入った。

                                                   

 日本一出荷量がある物部の柚子は
確かに今年の生り具合は少ないようだ。

 「木の実は裏と表年があるきね」

植物は動物の数を調整する役を負うきね。

 最深集落を過ぎて入る西熊林道を
覆う樹々の葉色はいつもより薄く感じた。

 「日照時間が少なかったろか?」

今年の紅葉は淡いかもしれんなぁ。

                 

 「四国は静かでいいですわ」

いつもの登り口は今日も静かだ。
そんな晩秋に入る奥物部の森は
どんな風景を見せてくれるだろう。

                 なるかならぬか柚子は今年も寂寞と  加藤秋邨