「ここのサツキらも
だんだん草に吞まれゆう」
昭和42年自然休養林に指定され
広場として整備された杖塚に上がる。
◆杖塚
「雨 上がったね」
四国に南東から流れ込む雨雲は
やはり一点にまとまる事はないようで
山にぶつかっても長く降らないだろう。
「普通にあるツユクサ」
ツユクサ科の一年草。畑地や路傍など。
夏から初秋に藍色で左右相称の花をつける。
古来この花で布を摺り染める。若葉は食用
路傍の花という
平凡を愛しけりかぁ。
◆峠に下る
杖塚から来た道を少し引き返し
古の杣道に入り赤良木峠に下った。
峠は風を集め良い風が吹くが
雲も集めて北に開ける風景は隠れていた。
「高知が見えゆうね」
高知市内は晴れているようで
間もなくここにも陽が射すかな。
◆木洩れ日
赤良木峠から三辻山への
近道となる人工林にはいった。
「凄いね」
レンブランド光線とは
天空より柱状に降り注ぐ神秘的な光の表現。
「ブロッケンの妖怪や!」
太陽などの光が背後から差し込み
影の側の雲粒や霧粒によって光が散乱され
人影の周りに光の虹の輪が現れる大気光学現象。
林内でも現れるがやぁ。。。
雨上がりの杉林に朝陽が射し
初めて出逢った林の中のブロッケン。
これも通ってこそ見えた
百に一度の風景なんだろう。
いのちなり露草の瑠璃蓼の紅 石田波郷