「ツリブネが咲いた」
ツリフネソウ科の一年草。
山地のやや湿ったところ半日陰を好む。
名は帆掛け舟を吊り下げたような形による。
◆分け入る
山間を上がり霧雨となった
静かな登り口の気温は21度。
雨上がりもあるが吸血虫も居ない
いい感じで歩けそうだな。
「これなら
傘はいらんね」
山道は廃鉱山の林道から始まる。
もう止みそうやな。
◆林道歩き
「テンニンソウが咲くね」
シソ科テンニンソウ属の
日本全土の山地の木陰に生える多年草。
山地の木陰に大群落をつくることが多い。
「カエルがおるで!」
全くの自然林より一から始まる
人工的な環境の方が植生は豊かだ。
雨が嬉しいがやろう。
◆人工の林
「雨が止んだ
河童天気予報大当たり」
林道から別れる山道は
工石山に続く植林の道に入る。
「実を付けたら
葉は虫に食べらすがよ」
確かにこれからのものより
終わったものの方が虫食いが多い。
互いに役立ち生き残った
森の命の「絡合」を考えたら
tochikoの言う事は腑に落ちる。
◆二次林
「霧が気持ちいいね」
山道は公園整備した植生に
鳥と風が運んだ種が根を張った
草木が共生を始めた二次林に入る。
「マタタビの虫コブ
お母さんが拾って来よった」
焼酎漬けにしたら薬効がでる
自然を見据えた日本人の知恵。
丸まった葉は虫の卵を抱いている。
それぞれ卵で冬を越すがやな。
「杖塚上がるろう」
霧の中で
一休みして行こうか。
明け暮れの揺れを絶やさず釣舟草 渡井ふじ子