猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小暑に入る加持ヶ峰遊山 清水

                                                           

 真名井の滝の上の滝。
この渓谷美が小さくまとまった
箱庭のような風景が私は好きだ。

 今日の感じがBetterやな。

◆真名井の頭
 真名井の大岩の一つの頭に
造られた東屋でいつも休んでいる。
ここに山麓か稜線から吹く風が
凪いでいた記憶は今までない。

◆まほらに下る
 汗を引かせて岩頭から下る
山道の先に梶ヶ森のまほらがある。

                 

 降りた渓底は吉野川支流
佐賀山谷川の源流となる。

 「赤翡翠聞こえた!」

 絶え間なく湧き出す渓水で
木々は豊かな森を形成し命を養う。

 ここはいつも鳥とセミが多いな。

◆河出流ところ
 高山は気圧差で発生する雲と
自重により吸い上げる地下水脈で
山頂付近から水が湧き出すことがある。

                             

その高みから海まで流れ下る
ポテンシャルエネルギーは膨大で
流域大地に深く浸透し植物の分布を広げ
河口では海水を押し返し耕作地も広げる。

その力を電気に換えれば植物は後退し
河口に塩害が起こるのは当然の結果で
自然エネルギー」を言うのであれば
エネルギー保存の法則」計算が必要だろう。

                             

◆かえり道
 河童は水がある山道が好きだ。
苔が輝きサルオガセが垂れ下がる。
雪もそうで雪が降れば稜線に上がる。

 夏の稜線で掻く汗と
沢で掻く汗とは体感が違うのは
湿度の違いだと思っている。

 衣類だけなく身体機能もある。

                             

 「青空みえた」

 風が涼しいから
これから不安定かもな。

 「気持ちよかったぁ」

 乾いた汗がべとつかずに
サラサラして気持ちよかったけど

                             

 こりゃあ
もう一荒れ来るぞ。

                山清水魂冷ゆるまで掬(むす)びけり  臼田亜浪