猿板

遊山黒子衆SARUの記録

ろくべえさんと歩禅の三辻山 木の芽

                                         

 「暖かいですなぁ」

 登り口の気温は13度。
日焼けを気にしない男性は
グローブは要らない気温。

◆分け入る

 「工石はアケボノでしたね」

 今はまだ静かだけど
開花時期は多くの人が訪れる。

 そうあって欲しいですね。

◆林道のこと

 「どこまで続いているですか」

 昭和の廃坑に続く林道から
ろくべえさんとの歩禅は始まる。

 赤良木峠の廃坑までです。

                             

 「ネコノメが
    延びてきゆう」

 アザミも若葉を出し始め
それぞれの開花が楽しみだ。

 

◆人工林のこと
 山道は林道を離れ
工石山への登山道に入り
杉檜の人工林を登る。

                             

植林は米や牛、豚と同じく
人と共生して種を繫ぐ命で
人が植えたら世話をしないと
命の危機を感じて花を咲かす。

 まだ少数派ではあるが
花粉症で苦しんでいるのは
放置林が増えたがためで
杉も人間も可愛そうだと思う。

                 

◆二次林のこと

 「トンネルになるところ」

 山道は公園整備された後
鳥や風が運んだ種も根を張った
若い潅木たちが成す二次林に入る。

森の春は大地から始まり
特に若い森は芽吹きが早く
先回より若葉が目立ち始めた。

 

 「杖塚上がるろう」

春の陽射しを浴びに行こうや。

 「いいですね」

                 すたれたる昔御園の木の芽かな  政岡子規