山道は落差20mの滝を成す
大岩の右岸を上がった滝頭にある
渓水を塞き止めた河原にあがる。
◆滝頭の上
「この上から
風景が変わるんよ」
Y'sが友人に示した風景は
滝頭の上にある池の様な滝釜。
「わぁ～ 綺麗！！」
滝の上は幾つかの段が続き
雪を纏う岩と冬枯た樹々を配した
モノトーンの世界で迎えてくれた。
◆佐賀山川
山道は頂上付近より出流
吉野川支流の佐賀山川谷を溯る。
渓を覆う雪は音を奪い
静寂の中を黒い渓水流れる。
「コガラやおか？」
鳥の群に囲まれた様だが
姿を捉えることは出来なかった。
囀こそ鳥の姿かもしれないな。
◆冬の景色
「あれは宿り木」
ヤドリギ科の常緑低木。
落葉広葉樹に寄生するので冬は目立つ。
果肉は強くねばり鳥によって他の枝に運ばれる。
「河童さん
これは鹿の足跡？！」
そうだなぁ
鹿とイタチが交差したとか。
これらも冬ならではの風景。
◆信仰の域へ
山道の端に石積が現れ
古い寺院の境内に上がる。
梶ヶ森8合目にある遍照院は
歴史を1300年溯る定福寺奥ノ院の
修験者達の宿坊とし建てられた。
来た道をふり返れば
北方遠くの山に雪雲が見えた。
気温も下がってきたか。
寒禽のこゑ木立から水面から 星野恒彦
