近道は三辻山の登山道に入る。
私はこの道をかつて山中を漂泊した
木地師の道であったと考えている。
◆木地の道
程なく山道は忘れられた
昭和の頃整備された赤良木園地に入る。
「今日は頂上に
上がる価値ありやね」
◆頂に立つ
園地は山頂直下にあり
家からも2時間で山頂に上がる。
標高約1100mの山頂に立つ。
「このお手軽さも魅力やね」
晴れていれば太平洋に続く山並が
眼下に広がっているのだが
今日山間から海へは雲の下にあった。
「静かな景色やね」
そうやね。
納得出来たき森に帰るか。
◆自然の森
休養林として整備された
工石山と違って三辻山頂部には
巨木が根を張る原生の森がある。
海に向かって南北に尾根を張る
四国山地の南に位置する南国土佐は
海岸から標高1000m越えるまで短く
降雨に恵まれ樹木の生育もよい。
◆薄日射す
「なんで街の人は雨を嫌うろう
雨が降らんと困るにねぇ」
朝顔、夕立、蝉の声
先人が季語にした美しい言葉。
なんで自然の恵み、打ち水を
「ゲリラ豪雨」と呼ぶろうね。
夕立に独活の葉広き匂かな 其角