猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初春の寒風山遊山 結ぶ

笹ヶ峰

 1997年2月12日
この年は例年と比べ雪が多く
前週外の山に入っていた私達は
気温上昇を観測し行動を中止した。


◆自然現象に人は関係ない
 なだらかな笹ヶ峰
まさか雪崩が起こるなどとは
考えてもみなかった。
誰も考えもしなかった。



◆文化は変わるもの
 近年登山者は減少しているが
遭難者数は増加の一途をたどっている。
 この日もこの時期にしては
軽装な方を何人か見かけた。
                         
ギア−は進歩し軽量小型化し
交通網は発達し林道も深く伸び
昔と比べ行動はずっと楽になった。



集団登山は昔の山岳会系から
ツアー旅行やサークル化してきた。
でもそれを否定はしないが
自然現象は何も変わりはしない。
                        
◆自然原理
 ○○講習を受けたから
こんな装備を持っているからと
より深く入り込むのはどうだろうか。



たとえばピッケルでの滑落停止動作で
状況に応じ鎖骨にどの位の重量がかかるか
きちんと理解出来ているだろうか?
                         
1kgの鉄球が10m落ちた場合
地面に到達した時の衝撃(重さ)は
減速過程などよるが約140kg(140倍)になる。



 50cmロープがたるんでいれば墜落は1m
その時ギアにかかる力は体重の約10倍。
体重が80kgの人だと約800kgの力がかかり
ギアがロープを食いちぎる事もある。
                          
◆臆病者であること
 ある山で目の前を登っているtochikoが
一生後悔する事態に陥る風景を想像して
私は今までの若い登山が怖くなった。
それが今の遊山になった正直な気持ち。



 そうだよね山田さん
八ちゃん (^_^)


                          


                           雪嶺よ日をもて測るわが生よ  相馬遷子