登り始めの揺れる杉林を抜け
雑木林に出て風の巻込みに入り
北西から吹き込んでいる事を知る。
◆枯れ山
若い木々は芽吹きが早いが
流石に3月ではまだ先だが
枯れた風情ある佇まいを見せる。
春は大地からはじまり
寒気と暖気が押し合うこの時期
寒さも耐えて芽吹いた草たちに
小さくても強い自然の力を感じた。
◆春雪を踏む
「雪やね」
標高950m越え現れた雪は
この時期にしては澄んだ白色。
その雪面を見ると
夜間に降った春の湿雪が
昼間の雨に叩かれたことが解り
それはこの時期の特徴でもある。
◆杖塚
公園として整備された
杖塚にあがることにした。
「まあまあ降ったがやね」
積雪は5cm位だが
白い春の雪が迎えてくれた。
上が楽しみやね。
◆赤良木峠
来た道を少し返し
古の山道に入り峠を目指した。
吹き上がる強い風が抜ける
標高約950mの赤良木峠に出る。
「石鎚も見えゆうで」
西の四国の霊峰も
この寒波で雪が乗った様子。
懐かしい笹ヶ峰も
白く優しい山容を見せてくれた。
春の淡雪もいいものだ。
雪嶺よ日をもて測るわが生よ 相馬遷子