猿板

遊山黒子衆SARUの記録

大暑の奥物部遊山 森のこと

木陰

 木陰は日光を遮るだけでなく
葉の水分が蒸発する時に
気化熱が奪われ空気を冷やす。


◆身体が喜ぶこと
 若い時期は汗をポタポタ流し
重荷を背負い夏の稜線を歩いていたが
いま全くその気にならないのは
正しい老化現象なのだろうか?



◆人為であること
 「登山道が掘れちゅうね・・・」
本来の住処を追われた鹿たちにより
下草を失った森は土が流れ始めている。


      
水は濁れば浮力を増し
流れが集まる登山道は
1m以上掘れた箇所がある。
この森はこれからどうなるのか。
                              
◆堂々と生きる
 20年以上この森を歩いて
初めて見る風景に言葉を失う。
 tochikoの栃は大丈夫か?



 「沢沿いに根を張っているから」
いい場所に根を下ろしたものだ。
 「水を汲みかえていこうっと!」
根元から湧き出す水は絶品だね。
                      
◆大地をつかむ
 流れ落ちた土に埋まり
倒木が増えてきた登山道。
 冬道まで直登しよう。
ザレた斜面を登る最中
                 
地下足袋みたいに親指で踏ん張れる!」
柔らかいソールは地形に沿い
踵まで覆うアウトソールの摩擦が
頼もしいグリップを生み出す。



 「グリップは今までで一番かも」
なるほどそう言うことね。
                        


                               顔ふつて水のうまさの山清水  河野南畦