猿板

遊山黒子衆SARUの記録

白猪谷を遡る 源流へ向かう

懐へ深く

 私たちが目指した源は
大瀧の対岸に注ぎ込む
“白猪谷”の最深部にあります。
◆分け入ること
 瓶ヶ森から生まれる吉野川
国土地理院が定めた源流点から
6kmほど遡った所に源流碑が設置され
今回の遊山はそこを目指しました。
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◆添うこと
 装備は山歩きスタイル。
初めての沢はいつもそうして
全体を見るようにしていて
それは退路の確認にもなります。

 頂を目指していない道は
山道と沢沿いを交互に進み
時折、渡渉する緊張感に
自分が自然の中にいることを感じます。

◆優しいこと
 高嶺から生まれる流れは
山肌を深く彫り込み
滝や深い淵をつくっていましたが
それは厳しいものでなく

 大暴れ川「四国三郎」の名に
似合わない優しい沢が続きます。

◆奏でること
 沢を下る澄んだ水は
滝となり空気を振るわせる
水面のドラムを叩き

淵に沈み込めば低い音となり
ナメに入れば沈黙し静寂を生む。

 渓谷の本質はその姿もさることながら
森に満ちあふれる音にあるのかも知れません。
 でもその音色をここで伝える事は出来ませんが
少しでも感じて頂ければ幸いです。

     分け入つても分け入つても 青い山   種田山頭火