猿板

遊山黒子衆SARUの記録

− 動 −

雪蜘蛛

 「白」に沈んだ世界
そこに動くものは
獣の足跡と我々だけでした。
◆力合わせ
 ランナーでもある2人
その日々鍛えあげた脚力で
果敢に雪に挑みます。
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 互いの疲労を確認し
前後を交代しながら
一定のスピードを保ち高度を稼ぎます。

◆突破する
 しかし山麓の雪を集める
誰も歩いていない谷筋は
目の前に迫る白い壁となっています。

 その大量に積もった新雪
掻いても掻いても足場にならず
正に蟻地獄からの脱出となります。

◆経験が活きる
 ここは通い慣れた森ですが
これほど雪に埋まれば
道が判断出来ない箇所が出てきます。

 記憶にある樹木などの風景を
この森で培った経験と勘で結び
次のステップで道を見いだし進みます。

◆核心に迫る
 長く無心のラッセルが続きました。
やがて植生と風の流れが変わり
稜線が近い事を感じます。
 
 更に角度を増した白い斜面を
真っ直ぐ掻き上がる二人の後ろ姿は
青空に向かって駆け上がるように見えました。
  突き抜ける