猿板

遊山黒子衆SARUの記録

御在所山冬枯れ遊山 其の結び

kurokoshusaru2006-03-09

 石仏に掘られた年号は、江戸時代から昭和まで様々。
この頂上の神社にしても、
全て人力で荷揚げされたのでしょう。
正にこの山は、それ自体が神社なのです。
神を崇める人々の思いが至るところから伝わります。
今回も十分堪能しました。さあ下山開始です。

 実は今回の遊山に、もう一つの楽しみを添えてくれた人がいました。
登る途中に私の携帯が鳴り、
「今日はどちらの山にお出かけですか?」
先日紹介した山仲間のポストマン和宏さんです。
話を聞くと、同じ御在所山の麓で、お仲間達と籠編みの蔓を引いていたそうです。
これは全くの偶然!山神様が導かれたのでしょうか?
「お昼まだでしたら、我々も境内まで上がりますのでご一緒如何でしょうか?」
勿論、勿論!下山する足も速まるというものです。
 喘いで登った石段も、あっという間に過ぎていきます。
先に着いていた、和宏さんご一行は、
昼食時に遅れた我々を待ちかねたのか、
先に昼食を済ませておられましたが、(ここらが実に和宏さんらしい)
我々の為に残してくれた、
おでん(これも我々の献立と同じ)や、ウドの酢味噌和えを頂き、
短い時間でしたが、楽しく歓談させていただきました。

単独行も良いですが、同じ好みを持つ仲間との交流も楽しいものです。
愉快なお仲間の宮地さん、秋岡さん、吉永さん、
本当に楽しい一時をありがとうございました。

 ここでもう一つ御在所山で紹介しておきたいことがあります。
実はこの御在所山の頂上近くには、
「シモバシラ」別名「雪寄草」(ゆきよせそう)という植物が沢山生えています。
秋に、枝の上部の葉のわきに片側だけにズラッと白い花を咲かせる多年草ですが、
冬に枯れてもなお水を吸い上げ、茎がその圧力に耐え切れずに破裂してしまい、
水が外にブワーっと出て凍り、
枯れた茎の根元に、霜柱のような氷の結晶ができるところからこの名になったそうです。
 これは去年の12月に和宏さんが写したものです。

どうです?不思議な造詣でしょう。
これが、頂上付近に何十と現れるそうで、
それは夢の様な風景だそうです。
 でも、一度破裂すると水を吸い上げることが無いので、
この風景に出会えるのは、年に一回だそうです。
 又、雪の中ではこの現象は起きないので、
標高が1,000mの御在所山は、最適の場所のようです。
よし、今年はこの神の造詣に会いに来るぞ!
今回は神様と人間の共作である風景と、神のご縁に感謝した遊山でした。