猿板

遊山黒子衆SARUの記録

tochikoな山歩き 籠編み

kurokoshusaru2006-03-10

 先日、山の蔓で籠作りに挑戦しました。
 その日、師匠のポストマン大野さんは、
蔓の他にビニールシートや鋏、ドライバーなどの道具まで、
一式用意して来てくださいました。
 手先の不器用な私に籠なんて編めるはずがない・・・。
と思っていたのですが、ポストマン大野師匠は鮮やかな手さばきで、
あっという間に、手つきの籠を完成させました。
見ているうちに好奇心のほうが沸いてきます。
 そこで・・・
生まれて初めての籠作りに挑戦することにしました。
 
 素材はツヅラフジという蔓で、
それも後のために親は残し、先のほうの細いところを引っ張って、
分けてもらうとの事でした。

蔓は、本来は数ヶ月干した後、鍋で数時間煮て
それをよく乾かしてから、編むのだそうです。
 しかし今回の蔓は、先日の御在所山のもので、
まだ新しく、青い草の匂いがしています(いい香り〜)
 最初の巻きはじめや、底辺からの立ち上がりのところが難しいですが、
ワイワイと世間話をしながら手を動かしていると、
どうにかこうにか完成。やったっ!
とりあえず、カ・タ・チにはなりました。
 
 街の暮らしに自然の香り漂うのはいいものです。
そういえば、以前里帰りした時に、
納屋で、古い竹の籠を見つけ、
もう使っていないだろうから飾りにしようと母に尋ねたところ、
まだまだ現役で使っているとの事。
小さい頃、近所にはわらじ編み名人の爺ちゃんが居て、籠編み職人も普通に居ました。
 去年、母が簑が欲しいというので、探していた時があったのですが
民芸品店に飾るような物しかなく、
母の云う、実用的なものを探すのに苦労しました。
(素材もなんとかって言ってました)
 簑を買った店のご主人は、
「もう職人がおらんなってねぇ」と。
 何十年も使い込まれて、年季の入った道具は素晴らしいです。
しかも、最後は土に帰って行く。
しかし、私にはそんな道具は作れません・・・。
職人さんて素晴らしい!