猿板

遊山黒子衆SARUの記録

立冬の加持ヶ峰遊山 冬立つ

                                                           

 修験場であった事を伝える
鎖場に架けられた階段を登り
真名井の滝の頭に上がった。

◆修験の滝
 滝頭の二段の滝が見せる
四季の風景も楽しみにしている。

 渓の落葉は増えてきたが
紅葉の盛りには早かったな。

◆滝頭のこと
 いつも休憩している
真名井の大岩の頭にある
東屋には四季折々の風が吹く。

 まだ寒いほどじゃないな。

                             

 「珈琲と
   どら焼き持って来たで」

 風も気温もちょうどいいしね。

 急登を終えて一息つけながら
四季折々の借景を眺める一時も
とても贅沢なことだと感じている。

 頂きます!

                       

◆森の中のもう一つの森
 この森のまほらと感じる
佐賀山谷川が出流森に降りた。
ここは稜線近い川の源流で
標高があるから紅葉も早い。

 いま染まっている葉は
来週は地に落ちているから
これが今日の一期一会だろう。

 「水鏡の紅葉が綺麗!」

                       

 この渓の廊が導く先に
佐賀山谷川出流ところがある。

 稜線近くだから陽が射し込み
紅葉に染まった樹々の葉が黄金色に輝く。

                                     

 ここは深山の源流点とは思えない
穏やかで澄んだ湧き水が鏡となって
森の中のもう一つの森を見せてくれる。

 こんな場所が他にあるろうか。。。

◆かえり道
 若い頃は「登山」で高みを目指していたが
それは困難な「初登頂」や「厳冬期」も同じで
当時は発信する術が少ないから「自慢」でなく
いま考えてみると「孤独」を求めた様に思う。

                       

そんな「孤独」を求めるのは男性に多く
自然を前にして力尽きるのは殆どが男性で
女性単独が現れたのは近年のことだと思う。

   「観て!鳥の目線も紅葉きれい」

 今年の山毛欅は黄金色に染まった。
そんな色合いまでも見分けられるのも
祖先の記憶が継がれているからだと思う。

   今年は上手に染まって終わるな。

 稜線の木も冬空にのびのびと
枝広げて夏の深呼吸しているようだ。

 多く山を登るほど「孤独」は「不毛」で
至るのは「孤独死」であることに気づいて
経験が多いほど山懐の自然に目を向けるのは
「老化」でなく「満足を覚える」からだろう。

               

 「いい遊山やったね」

 かよってこそ深まって
見える一期一会だったと思う。

  満足こそが幸せなんだろうね (^_^)

                    立冬の日向を拾ひ歩きけり  嶋田麻紀