「アケビが育ちゆうで」
山野に生えるアケビ科の蔓性落葉木。
実は楕円形で熟すると果皮が裂けて
黒い種子を多く含んだ白い果肉が見える。
◆杖塚の空
「夏終わりって感じ」
山道は自然休養林の公園広場
杖塚に上がり南方に開けた空で
いつもその日の天気を観ている。
「雲で陽が陰っていい感じ」
澄んだ深い青空に真白の雲。
正に夏休みが終わる風景だなぁ｡｡｡
風が弱いきよかったな。
◆峠に下る
「風が吹いてきた」
杖塚で休んだ後に来た道を
少し引き返し杣道に入り峠に下る。
やっぱり峠は風を集めるな。
「お月さんはお空に
石鎚さんは雲ん中」
標高約1000mの峠には
北からいい風が吹き抜けた。
南の海から雲が上がり
寒暖気の押し合いが感じられた。
俄雨も雷だって自然には必要なもの
人の都合は自然には無関係なんだ。
◆近道に入る
赤良木峠から三辻山への近道に入り
尾根北面に植えられた杉檜の林を登る。
ここの道は植林のための作業道で
一般的な登山道ではないので要注意。
「スポットライトが
林に降りて来ゆ」
北の澄んだ大気が入って来て
林床の陰影が際立って見えてきた。
これもこの時期だけの風景
季節が移ろう頃の一期一会だろう。
◆稜に上がる
「えい感じやない？」
そんな涼しい風が吹き上がる
急登で掻く汗も軽く気持ちがいい。
空気が乾いてきたろうかねぇ。
急登を終えた近道の端に
笹床が現れれば主稜線は近い。
一休みして行こうや。
烏飛んでそこに通草のありにけり 高浜虚子
