猿板

遊山黒子衆SARUの記録

夏終る三辻山の遊山 夏雲

                                                               

 「アケビ大きゅうなっちゅう」

 山野に生えるアケビ科の蔓性落葉木
楕円形の実は熟すると果皮が裂けて
黒い種子を含む白く甘い果肉が見える。

◆杖塚のこと

 「あっついわぁ。。。」

 昭和42年に指定された
自然休養林の広場に上がり
いつも空の様子を観ている。

杖塚の陽射しは強く暑かったが
空の雲は秋の訪れを感じさせた。
午前中の熱的低気圧発生はないな。

 さあ 行くか。

                 

◆峠に下る
 来た道を少し引き返し
登山道を別れ杣の道に入り
姿を変えた古の峠に下る。

 「おったで!」

 ヒキの子と糸とんぼ。
君らも雨が欲しいよなぁ。。。

 僕らより強いもね (^_^)

                     

杣道は鬱蒼とした植林を抜け
郡境であった赤良木峠に降りた。

◆峠の風景

 「えい風やぁ!」

 標高約950mの赤良木峠に立つ。
ここは昭和のドロマイトの採掘で
かつての茶屋があった風景はない。

                             

 「石鎚山は微妙に雲の中」

 昔山小屋の布団干しは
8月は出来んかったもね。

  「午後は曇って降るし」

 石鎚山系主稜線に湧き上がり始めた
雲は太陽光で暖まった空気が山に添って
昇ったもので寒気があれば落雷となる。

 レーダでも見えない8月の危険だな。

                 

◆近道に入る
 峠から三辻山への近道に入る。
伐採で登山道の一部が失われたが
今のところ植林作業道の影響はない。

 でもこの杉もそろそろ
伐ってあげた方がいいだろうなぁ。

 近道は三辻山北斜面に植えられた
杉檜の植林の急な斜面を登り返す道。

 「ホトトギス咲いた」

 山歩きよりそちらの方が大切で
時間が経てば道も見えてくるろうし
自然も時をかけて調和するだろう。

               

◆稜に上がる
 植林作業道の急な登りを終え
南から上がっていた登山道に入り
緩やかな葛籠折れで山頂に上がる。

 「ひよどりばな咲いた」

 アサギマダラが好む秋の花。
人間がどんなに騒ごうとも
自然の季節の暦は正確だなぁ。。。

               

 近道に笹が現れたら
工石山から続く稜線は近い。

 「珈琲タイムしょうや」

                  ふところに花こそ匂へ夏の雲  上島鬼貫