かよう道のはじまりは
水の音の塊が湧き出してくるような強さを感じました。
いつもは賑やかなミソサザイが
遠くに聞こえる。
ハルゼミも
水の音に混じり弱々しくも逞しく聞こえています。
滝を越えると
静けさを取り戻すようなヤマボウシが咲き
花弁を囲む白い萼を際立たせていました。
いつもは小さな沢が
白の筆を走らせるように
森全体を縫うように流れています。
真名井の滝を登り
大きな岩の上にあるいつもの休憩場所は
鳥のさえずりが聞こえるところ。
そして紅葉谷は
静かに谷のはじまるところ
ここから先は
私たちの下山と反対方向に
雲が動き
とても静かな森でした。
閑(しづか)さや岩にしみ入る蟬の声 芭蕉