猿板

遊山黒子衆SARUの記録

大寒に入る家から遊山 山雀

                       

 単調な風景の植林を登り
宇津野山から烏帽子山を越え
東西に並ぶ南嶺の主稜線に上がる。

◆稜に乗る
 日当たりの良い稜線には
南国らしい照葉樹の森があり
日が陰る椎や樫の温暖林を登る
山道の先が明るくなる。

◆山頂のこと
 家から歩いて2時間半
南の眼下に太平洋が広がる
標高306m鷲尾山山頂に立つ。

           

 山頂の南には太平洋が広がる。
南国土佐だからこその雄大な風景。

 土佐はいい国だよな。

 「ヤマガラ
    海を観ゆうで」

 気持ちよさそうだなぁ。。。

                     

◆かえり道
 太陽暦は明るくなる冬至頃を
農業暦とも言われる太陰暦
寒さが底を打つ頃を正月とした。
山の気温も旧正月頃に底を打つ。

山の雪は降雪・寒暖繰り返し層を成し
その暖かい時形成された弱層が破断する
最も恐ろしい深層雪崩はこれからが本番。

 だから「雪崩」は「春の季語」

                                                   

「過信」と「無知」は仕方ないとしても
山は「利己」でなく「利他」の世界だ。
山の事を知らず家で待つ家族。
命懸けの救助の事は考えて欲しい。

◆遊山の終わり

 「今年もお願いします」

 家から遊山は帰宅も早いから
昼は馴染みの寿司屋さんを訪れた。

 こちらこそです。

                      

「遭難が過去最高を更新したね」

 自然は利他の絡合だから抵抗を生む
利己でなく流れる水の様に生きるほうが
僕らに残された時を温かく過ごせるだろうな。

                山雀とあそぶさみしさこのみけり  徳永山冬子