猿板

遊山黒子衆SARUの記録

秋終わる奥物部の森 昼の月

                                                 

 日本海から前線が南下し
北日本は接近に伴い雨の降る。
西日本は広く高気圧に覆われて
晴天となり昼間は気温が上がる。

◆空を観る
 連休中日以降の天気は下り坂。
連休明けには低気圧が急発達し
前線を伴って日本付近を通過する。

この季節変わりの激しい気象は
大きな偏西風の蛇行によるもので
全てを異常気象としてしまっては
救える命も救えなくなると思う。

                                                   

◆川を遡る

 「日の出が遅くなったね」

 冬に入る前の小春日の休日に
tochikoとかよう奥物部の森を訪れた。

   地軸が冬に傾きはじめたからな。

 「水は大丈夫そう」

 物部川を溯る山間国道で
源流域の森を目指した。

 農閑期に入ったきねぇ。

           

 「高知は取水制限やと」

 美良布に入って現れる
奥物部の高峰は朝焼けだった。

 まあ週明けには降るき。

◆山里に入る
 旧物部村で物部川を別れ
上韮生川に添い山里に分け入る。

 上手に染まったなぁ。

                                           

 「ここも豊作」

 物部の柚出荷量は日本一。
この山間の地で育った柚は
特に味も香りも評判が高い。

◆山懐に入る

 「紅葉来たね!」

 最深集落を過ぎた林道は
紅葉のトンネルになっていた。

 ここが見頃かぁ?

                 

「見て!見て!
    お月さん出ちゅう」

 照葉に浮かぶ昼の月。

   日本の風景だなぁ。。。

 南に向いた山腹は
紅葉の盛りを迎えていた。

 「Mother treeは
    終わっちゅうね」

                 

 そんな秋が終わる奥物部の森は
どんな風景を見せてくれるだろう。

                    昼の月浮べて楢の照葉かな  水見悠々子