山粧 よそおう
もみじや蔦の葉が色づき
野山が美しい錦に染まるころ
奥物部は正にそのような時を迎えていました。
頭上から野鳥の声がして
見上げたキビタキは何処に居るのかわからないほど
同じ色合いでした。
カサカサと音をたてて
風に舞う落ち葉を踏みながら歩く道に
時折野鳥の音色が重なって聞こえました。
Mothertreeは
早々と今年の幹じまいを終え
越冬芽を枝先に輝かせています。
芽吹きも開花も
結実もどの木より早かった森のお母さんは
辺りの錦を眺めているようでした。
山粧ふけものの道もくれなゐに 檜 紀代