「ヌメリスギタケモドキ」
モエギタケ科スギタケ属の茸
主に秋頃広葉樹の枯れ木上に束生する。
出汁がよく佃煮、汁物、麺類などで食す。
◆滝頭に上がる
山道は沢を持ち上げる大岩を登る。
岩盤を掴むように延びた樹々の根は
雨で流れる雨水や土砂を堰き止めて
地表に生きる命の苗床を貯えてくれる。
龍王の滝を成す大岩の上には
渓水が堰き止められた大釜があり
この日紅葉を纏う姿で迎えてくれた。
この釜がいちばん綺麗だな。
◆一段目の紅葉
「紅葉の盛りやね」
この山道は短い距離で標高を上げ
標高100m登るごとに自然林があり
紅葉にも時間差が出来て長く楽しめる。
私が「一段目」と呼ぶこの森は
先人が炭焼や薪取りに関わって
木々は若く互いの間隔も程よく
深い風景を観ることが出来る。
梶ヶ森の北側を登る山道に
稜線を越えた朝陽が差しはじめた。
◆紅葉の隧道
山道は深山の寺の境内に入る。
先人の関わりが長く木々が若いため
新緑や紅葉のトンネルの様になる。
紅葉時期は木の種類ごとに異なり
この若い森は多くの種が根を張り
それぞれの色合いを楽しめる。
秋の夕日に 照る山 もみじ
濃いも薄いも 数ある中に
松を彩る 楓や蔦は
山の麓の裾模様
谷の流れに 散り浮く もみじ
波に揺られて 離れて寄って
赤や黄色の 色様々に
水の上にも織る錦
紅葉は斜陽の逆光がいい
まさに紅葉の盛りだなぁ。
◆深山の寺
落葉が敷かれた山道は
石門の様に並んだ岩間を抜け
深山に祀られた寺院に入る。
山麓の定福寺から見上げる
梶ヶ森はお釈迦様の寝姿に見え
その八合目に奥ノ院を祀った。
落葉がはじまり空が覗き始めた
森の中から定福寺奥の院が現れる。
一本していこうや。
御仏をふかく蔵して紅葉晴 今瀬剛