猿板

遊山黒子衆SARUの記録

夏へ移ろう三辻遊山 春の日

                       

 飛行機の排気に含まる水蒸気が
極低温な外気に急激に冷やされて
水滴や氷の粒になるのが飛行機雲。

 やはり寒気が押しているな。

◆静かなこと

 「ここはみんな
    スタートが遅いきね」

 高知市内から1時間足らず
手軽な山歩きがここの魅力だろう。

◆林道のこと
 登り始める林道に
木洩れ日が描く木陰が
目立つ様になってきた。

                                           

林道に根を張る蕗は葉を伸ばし
花は春の色合いから夏の色に映ろう
この淡い色合いが薄日に映えて美しい。

 

◆人工林のこと
 林道を別れて工石山に至る
山道に入り杉檜の人工林を登る。

           

 冬でも木陰となる
人工林の陽射しは明るくなり
草木の芽吹きが始まっていた。

 

 「ここも
   ウワバミソウが出たで」

これから山は山菜シーズンに入る。

                     

 「綺麗ですね」

 僅かに射す陽光に
シロモジの若葉が輝き浮かぶ。

 人工林もありだよな。

 クスノキ科の落葉低木。
木全体に芳香があり葉は浅く3裂
新葉に先だって淡黄色の小花を開く。
種子および葉から白文字油を採る。

◆雑木林のこと
 山道は薄暗い人工林を抜け
若葉のトンネルとなった雑木林に入る。
ここは一度刈られ回復途中の2次林で
木々も若く多種多様な命が根を張る。

 「山躑躅が見頃やね」

この時期の主役は躑躅だろうな。

                             

この一期一会を求め多くの人が
山に入り風景も人も賑やかになる。

 「杖塚で休むろう」

今日は少し肌寒かった。

 お天道様に当たりたいね。

                   大いなる春日の翼垂れてあり  鈴木花蓑