北西から穏やかに雲が流れ来る
森が開いた公園休憩施設に上がった。
まだ雨が降る様子はないね。
◆杖塚
「いっつも
ここから行きゆうか」
以前Kさんと訪れた時は
まだ峠道の存在を知らなかった。
◆赤良木峠
「いい風抜けるねえ」
両側に山が迫った鞍部は
ビル風の様に風が集まり抜ける。
「真っ白や」
北から雲が吹き抜ける
峠で身体を冷ましたのち
植林の作業道に入る。
◆近道に入る
「炭焼の跡があるやか」
子供の頃に炭焼を経験した
Kさんの言うことは間違いない。
「炭焼の子やき」
植林を葛籠折れに登り
山道は三辻山登山道に入る。
「これが5月に
花筵を見せてくれた山桜」
「立派な桜やなぁ」
山道は昭和の忘れられた園地に至る。
◆頂に上がる
「頂上行こや」
頂上直下の園地から3分足らず
標高約1100m三辻山頂に上がる。
変化のときやね。
北西の風と共に雲が動く。
「空が見えたやいか」
これから降るか晴れるのか。
これだから山は面白い。
水無月のとほき雲けふもとほくあり 川島彷徨子